ネットの中だけの友だちに、会えない理由
この記事は、
子供/保護者×オンラインコミュニケーションAdvent Calendar 2016の
22日目の記事です。21日目は tss_ontap_o さん でした
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グリーでネットの安全利用についてCSR活動をしている
小木曽です。
今年も、個人として最近感じていることを書いてみました。
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すでに大人も子供も「会ったことのない、ネットの中だけの友だち」が
当たり前になりつつあります。そもそもSNSの機能が
「人と人とを結びつける」
ですから、これだけSNSが普及すれば自然なことなのかもしれません。
先日、高校の女子生徒に
「ネットで知り合った人に会ってはダメなんですか?」
と聞かれたのですが、これ数年前なら問答無用で「ダメ!」で
終わっていた話でした。ですが最近は、もうちょっと丁寧な説明が
必要だと感じています。
なにしろ私、講演では
「ネットと現実は一緒、区別しちゃダメ」
と言っているワケですよ。
誰かと知り合うことは、日常生活の中では当たり前のことですし、
新しい人間関係の中で、色々なことを学んでいくのも、
人生では大事なことです。
それなのに「人と知り合う」という部分だけ切り取って特別扱いして
「ダメ!」
じゃ、矛盾しちゃいます。
実際、大人の日々の生活の中では、ネットで知り合った初対面の人と
会って、一緒に仕事するなんてことが、もう当たり前の時代です。
ですので、さきほどの高校生女子からの質問には、
こんなふうに答えました。
「生きていく中で、誰かと知り合うのは自然なことです。
それは、日常でもネットでも同じこと。だからいつの日か、
高校生がネットで知り合った人と実際に会う、というのが
当たり前の時代になるかもしれません。
でも今はまだその時代じゃないんです。
なぜなら高校生が、
実生活で知り合った人と遊びに行って、その結果、
殺されてしまう確率より、
ネットで知り合った人に会いに行って、その結果、
殺されてしまう確率の方が、今はまだ高いからです。
殺されるかもしれないけど「会いたい」人なんて
ネットの知り合いにいないでしょ?
だから、ネットで知り合った人と会うのは、
まだ危険な時代なんです」
これは単純に確率の比較です。「殺される」は過激な表現かも
しれませんが、事件に巻き込まれる可能性という意味では、
確実にそう言い切れると思います。
いつの日か、「ネットの知り合い」と「現実の知り合い」を
まったく区別しない時代がやって来ると思いますが、
その時代、まだ来てないんですよね。
そう遠くない将来、それがどんな形でやってくるのか、
しっかり見届けたいと思っています。